ある人はいつも落ち着いていて、別の人はいつもせわしないといったように、
人間にはそれぞれその人らしいものの考え方や感じ方、行動パターンがあるものです。
この「その人らしさ」のことを性格といいます。
性格の類似語には「人格」「パーソナ リティ」という言葉がありますが、
これらはほぼ同じに扱われています。

この性格を形づくる要素としては、遺伝的・先天的な要素と、環境的 ・後天的な要素とがあります。
つまり、性格には遺伝によって決められた変わりにくい側面と、
環境によって変化する側面があるのです。
そして、これらの遺伝的な要素と環境的な要素とが、
お互いに影響し合っで性格は形成されています。

この変わりにくい側面と変わりやすい側面のある性格は、下の図のように4つの層に分けられます。

 

性格の士台である気質は精神病と、また気性は神経症(ノイローゼ) と関係しています。

以下に、この気質と気性について説明していきます。

<気質>>

気質は遺伝的要素が強く変わりにくい部分で、
分裂気質
循環 (躁 うつ)気質
粘着(てんかん)気質

の三つに分類されます。これらの気質は先天的な体質の一面と考えられていて、
クレッチマーは気質と体型との関連を説いています。
いわゆるー般的な人は、この三つの気質をバランスよく持っていて、
そのバランスは生涯変わらない傾向にあるとされています。
そして、これらの気質のーつが病的に目立っているものを
精神病質(それぞれ分裂病質・循環病質・類てんかん病質)と言い、
それがさらに発展すると精神病(それぞれ精神分裂病・躁うつ病・てんかん)に
なるとされています。

分裂気質 細長型

非社交的で、社会に適応できず、周囲に無関心で共感性に乏しい傾向にある。
この無関心で鈍感な性質を持つ反面、内気で傷つきやすくコンプレックスに触れられると
過敏な反応(ひどく興奮するなど)を示す敏感な性質もあわせ持つ。
そのために他人に何を考えているのか分からない印象を与えることが多い。
社会との接触を避けて空想にふける、あるいは論理的思考や形式にこだわるなどの傾向を示す。

循環(躁うつ)気質 肥満型

陽気な面と陰気な面が数日から数 ヶ月の大きな波を描いて変化する。
社交的で、環境や他人とともに生き、社会との間に溝を作らない傾向にある。
怒るけれど根に持たない、陰気なときも他人に対する優しさ親しさを失わないなど
いわゆる神経質な面は少ない。現実的に行動し、具体的に物事を考える。

粘着(てんかん)気質 闘士型

精神的なテンポがゆっくりとしていて、普段は刺激に対して速やかに反応することはないが、
疵に障ると爆発的に激しく怒り、興奮する。
物に対する愛着を持ち、一つのことに熱中する。変化を求めない保守的な傾向があり、
几帳面で堅い性質。秩序・整頓を好み、いいかげんなことを嫌う。
道徳的で、他人に対して慇懃なまでに丁寧に接する傾向がある。

<気性>

気性は、気質を士台にして環境の影響を受けながら2~3歳ごろまでに形成される
自己意識のことで、この部分が現実とずれると社会不適応を起こしやすく、
不適応を起こした状態が神経症(ノイローゼ)と言われます。
気性は、弱気・勝気・強気の3つに分類されます。

弱気

内向的で、困ったことに直面すると自分の世界に逃避しやすい。
不満を内面に抑圧して表面化できず、劣等感に思い悩み、常に自分が悪いと考える。
弱気の人は、心理的な圧力がかかると不安神経症、脅迫神経症、心気症などになりやすい。

勝気

外向的で暗示にかかりやすい。虚栄心が強く自分を実際以上に見せようと背伸びをする。
芝居じみた行為や大げさな表現をする。
勝気の人は、心理的な圧力がかかるとヒステリーになりやすい。

強気

自信過剰で他罰的。間題が起こると自分が悪いのではなく他人が悪いと考え、自己正当化をする。
強気の要素が極端に現れるパラノイア(妄想症)になりやすい。

たいていの場合、優位に現れる気性の背後に他の気性の要素が存在する。
弱気の要素が表れるのは、背後に自惚れや野心と言った強気の要素があるためであり、
勝気や強気の要素が現れるのは、劣等感などの弱気の要素を補うためであったりする。