催眠とは、一定の暗示操作によって導くことのできる心理的生理的に特異な状態のことで、

変性意識(トランス)状態のことを指します。催眠は、気を失うなどの意識の無い状態や睡眠と同じょうな状態と見なされることが多く、さらには「催眠にかかると施術者の思い通りに操られてしまうのではないか」という誤解や恐れを持つ人もいるようです。

しかし実際には、催眠中に意識を失ったり、被催眠者(催眠をかけられる人)が自分の道徳的信念に反する行為をしてしまうということは無く、医療や教育の場において有効な手段として科学的に高く評価されています。

このような誤解が横行しているのは、催眠を応用した催眠術ショーなどのたしょう。

私たちは、普段の生活の中でもよく催眠状態を体験しています。

朝、床の中でうつらうつらしているとき、また暑さ寒さを忘れ、

周囲の騒音にも気づかないほど集中して仕事や趣味に没頭しているときなど、

あなたは催眠状態にあると言えます。

あるいは、面白い講義や映画、テレビ、宗教的儀式なども催眠状態を引き起こします。

しかし、このように日常的に自然に催眠状態になることはー般的に催眠とは呼びません。

通常、催眠と呼ばれるものは自然に生じるものではなく、

施術者と被催眠者の間での合意に基づく何らかの目的のために、

施術者の誘導に従って被催眠者に意図的に生じさせるものを指します。

催眠状態のときにどのような経験をするかには個人差がありますが、

浅い催眠状態ではリラックス感とともに、ものうい無気力な状態になります。

催眠状態が深まるに従って、けだるさは強まり、思考力は弱くなり、

被賠示性(言葉による暗示を受け入れやすい度合い)は高くなっていきます。

つま り、催眠状態は リラックスと注意集中が深まるのです。

これを「意識水準の低下」と「被暗示性の亢進」と言います。

この催眠状態で起こる代表的な現象には、ある特定の事柄などの忘却(健忘)、

時間をいつもより短くあるいは長く感じる(時間歪曲)、

自分の過去や未来をありありとイメージする(年齢退行 ・年齢進行)

感覚的な体験が変化する(正の幻覚・負の幻覚)、

体の感覚がなくなる(感覚麻痺)、痛みを感じなくなる(無痛)などがあります。

これらの現象はそれほど特別なものではなく、

例えば遊びに夢中になっていて時が経つのを忘れてしまう二と(時間歪曲)や、

人ごみの中を歩いているときに誰かに名前を呼ばれた気がして振り返ること(正の幻寛)、

最初は違和感のあったメガネや時計、指輪などが、長い間それを身についていると

気にならなくなること(負の幻覚)、スポーツに集中 して体の痛みを忘れること(無痛)など、

日常的に誰もがある程度は体験しています。

催眠の歴史

催眠状態に類似した意識状態は人類誕生の時点から生活のさまざまな場面、

例えば宗教的な儀式や、病に苦しむ人たちを癒す治療手段などに利用されてきました。

古代においてはどこの国でも、僧侶、祈祷師、治療師と言われる人たちが

催眠を利用していました。これらの社会では、催眠状態で人が通常以上の能力を発揮する

可能性を認め、利用していたのです。

その意味では、催眠療法は最も古い心理療法と言えます。

<メスメル>

現代の催眠の歴史的記述は、18世紀の後半、ウィーンの医師であった

F.Aメスメルから始まります。

メスメルは、宇宙の星が発する不可視の磁気流体  動物磁気)が人間に影響を与え、

この磁気のバランスが崩れると病気になり、再分配すれば健康が回復すると考えました。

そしてメスメルは、星から放出される磁気流体を彼の身体が受け止め、

それを彼が指先などから放射することによって患者の病気を治すことができることを

発見しました。

メスメルは、それまで不治とさ れていた患者の何人かを治癒させるなどの劇的な成功を収め、

ウィーンかに出て治療院を開設し、磁気治療家としてー躍脚光を浴びるようになりました。

メスメル自身は、自分の治療の仕組みを全く分かつていませんでした

メスメルが作り上げた磁気治療の治療手順は、後の催眠誘導の基礎となるもので、

メスメルはその治療儀式で患者を催眠状態に導き、そこで身体の痙攣発作を暗示し、

「あなたが痙攣を起こすとき、病気は追い出され、必ず快復する」という暗示によって

多くの患者を治していたのです。

このメスメルの成功は他の医師たちの反感を買うととなり、

フランス科学アカデミー委員が彼の治療法 (スメ リズム)の調査に乗 り出 します。

そ して、メスメルが主張するような動物磁気などの理論の正しさを実証する証拠は

何ひとつ見当たらないこと、患者が治るのは動物磁気によってではなく患者の想像や

信念の産物にすぎないことを結論とし、メスメルは詐欺罪で告発されてしかるべきであるという

報告がなされました。メスメルは信用を失い、失意のうちにウィーンヘ帰 りました。

<ブレイド>

1840年代になり、催眠を初めて科学的に研究したのが、イギリスの外科医J.ブレイドです。

ブレイ ドは、催眠態はメル提唱 した動物磁気 とは何のかかわりもなく、

単に患者を疲労させれば誘導できることを発見し、患者に点を凝視させ、

眼筋を疲労させることによって催眠状態へと誘導する方法を紹介しました。

そして、催眠は生理的効果によってではなく言葉での暗示によって患者に影響を与える

(言語暗示法)ものであり、また、催眠状態は眠りではなくーつの概念に注意集中させる

ことによって患者の知覚野を狭くすることであるとしました。

そして、ギリシャ語の 眠 り(hypnos) 」とい うから「催眠(hypnosis)という用語を作り、

催眠の歴史に多大な貢献をしました。

ブレイドの実験や研究に基づいて、多くの病院では後に麻酔薬が普及するまで、

手術の際に催眠を利用して麻酔する方法が用いられるようになりました。

<リエー・ベルネー

フランスの医師A. リエボは、1864 年にナンシーに居を構えてまもな

眠の研究と実験を始め、やがて高名な医科教授H. ベルネームと協力 して

催眠暗示による患者の治療にあたり大成功を収めました。

この成功により、催眠に興味を持つヨーロッパの医たちが二人のもとに集ま り、

ナンシー学派 と呼れるようになります。

そして、催眠状態の基盤は心理的なものであること、

催眠はいわゆる普通の人にもかけられることなどを明らかにしました。

<シャルコー>

ー方同じ頃、フランスの神経学者のJ.M. シャルコ 催眠に心をせており、

催眠現象やヒステリ の神経学的状態を研究 し、

精神学に心理学視点を加えることに寄与しました。

シャルコーの研究が端緒 となて、サルペ トリエール病院に

経学者が訪れるようにな り

の中には後に精神医学に重要な業績を残すことになるフロイトやジャネらもいました。

<フロイト>

オース トリアの精神病理後に精神分析学を創始する S . フロイトは、

シャルコ やベルネー師事 し、ヒスーなど神経症の治療を行う

意識の心理的葛藤が神経症などの症状を形成するという

精神分析学の理論を構築していきました。

<フォクト・シュルツ>

ドイツの医師0. フォクトは 1890 年頃、睡眠 と催眠 類似性についての研究を進める中で、

催眠状態自体が心身の健康増進に役立    ことを発見しました。

そして、患者に自己催眠を自宅で行わせて疲労回復等に用いる 予防的休息法」を開発しました。

フォクトの研究は、J.H. シュルツに引き継がれ、 律訓練法」 として確立していきます。

ウォルピ

行動療法の中で最も普及している神経症の治療法である「系統的脱感作法」を創始した

J. ウォルピは、メンタルリハールの催眠と行動療法を結合させ、また、

不安に拮抗させる反応として催眠によるリラクセーションを用いると

改善が早いという説を唱えました。

催眠の歴史を振り返ると、

催眠への関心が高まると、その提唱者に迫害が加えられ関心が薄れていくということの

繰り返しであったと言えます。しかし、特に第ー次第二次世界大戦

戦争神経症の治療 として、戦闘による心的外傷体験の記憶や情動を解放させるために

催眠カタルシス法が活発に利用される中で、神経症、心身症などに対する有効な治療法として

催眠が見直され、1955年には英国医学会が、催眠は多くの価値ある応用性を持ち、

医療上きわめて重要なものであることを公的に認め、1958年にはアメリカ医学会 も、

催眠を合法的な医療の道具としての使用を認めています。

催眠療法

催眠療法は、催眠状態のさまざまな性質を利用した心理療法です。

深いリラックスを体験できる催眠状態自体が心身の健康増進に役立つ

(自然回復力を賦活・促進する)ことを利用したり、催眠状態での被暗示性の充進を利用し

「病気はなくなり、必ず快復する」などの直接暗示により症状の軽減や除去をはかること、

言菓による直接暗示だけでなくイメ ジを利用するこ 、外科、産婦人科、歯科などの

医療での痛のコン トロール、去の外的な経験 びつた感情や

無意識的な総藤を自由に話したり表現させることによりこころの浄化をはかる「カタルシス」など、

数多くの技法があります。

人は、箸の使い方や車の運転にはじまり、熱さ、寒さ、嫌悪、危機、愛情、欲望などに関する反応の

仕方など、多くのことを意識せ吋汀こ自動的に行っています。

つまり人の感情、思考、行動の多くは、無意識あるいは潜在意識がコントロしているのです。

この無意識がコントロールする不随意的訴えには、例えば夜尿、チック、偏頭痛、

消化性潰瘍などの生理的身体的な問題、あるいは強迫観念など自動的に侵入してくるある種の

思考などがあります。

催眠法は、特にこの通常の意識状態では変化させることが困難な無意識的・自動的な

反応の仕方を変化させるのに大変効果があります。

 

催眠誘導の手順

催眠には他者催眠と自己催眠があります。

他者催眠は他者が催眠誘導するという意味で、誘導する者(施術者)と誘導される者(被催眠者)が

います。自己催眠は自分で自分を催眠状態に誘導し、自分の悩みの克服や能力開発を

行うものです。ここでは他者催眠を中心にその誘導手順を説明していきます。

予備段階

催眠誘導を行うにあたっては、まず被催眠者が催眠に対して持っている不安感や

誤解を取り除き、催眠で意識が無くなったり、自分の意志に反することをするようなことは

決してないということをしっかりと認識してもらう必要があります。

また、もし意識が無くなるとすればそれは催眠から睡眠に移っただけであり、

睡眠から目が覚めれば元の状態に戻るということや、催眠状態は決して特殊な現象ではなく、

日常生活で多く体験していること、催眠状態では リラックする」

想像や集」「潜在能力が開発 される」多 くのメ リトを得 られるということを

説明し、 自分から催眠に入るうに心がけててください」と伝えるなど、

被催眠者が催眠状態に積極的に入れるように促します。

準備段階

催眠誘導を行うにあたっては、カウンセリングの環境条件と同様に、

静かで落ち着けるところが望まれます。基本的には椅子に腰掛けて行いますが、

最初は背もたれのあるゆったりとした椅子が良いでしょう。

べルト、ネクタイ、時計など身体を締め付けるものや、その他気になるものがあれば

緩めるなどして、身体のどこにも不必要な力が入っていない、

最も楽な姿勢をとってもらうようにします。

リラックス段階

催眠誘導を行う際には、リラックスできるところは事前にできるだけリラックスさせておく方が、

より深い催眠状態に誘導できます。

心理的な緊張は上半身に集まりやすく、特に肩と首の緊張が強くなりがちでずので、

肩や首の緊張を和らげることを中心に行います。

誘導段階

催眠状態に誘導していくためには、少しずつ被暗示性を高めていく必要があります。

被暗示性を高めるための基本的な原則は、

暗示に反応する経験自体が、被暗示性を高めていく」です。

したって、ま普段 意識水準、すわち覚醒状態でも受け入れて反応することのできる

類催眠から始め、運動催眠、知覚催眠、人格催眠と段階を追って

深い催眠状態に誘導していきます。

リラクセーション

リラクセーションとは心身の弛緩状態(った りと緩んだ状態)を

促進 させるための方法のことです。

現代はストレスによる心身症、感情障害、行動障害が起こりやすく、

その治療法としてリラクセーショが広 く用い られています。

また、単独の技法としてだけではなく、相談面接、催眠療法、行動療法等の

導入としても用いられています。

さらに健康な人にとっても、病気の予防や健康の維持増進 に効果があり、

近年ますますリラックス効果の重要性が注目されています。

心の緊張は筋肉の緊張を誘発し、逆に筋肉の緊張は意識水準を上昇させ、

心理的緊張を誘発します。

リラクセーョンには、瞑想や後で詳 し学習する律訓練法など心理的側面から入る技法と、

漸進的弛緩法などの生理的側面から入る技法とがあります。

漸進的弛緩法は、ジェイコプソンにより開発された技法で、

筋肉を弛緩させることにより大脳の興奮を低下させ、不安や緊張を軽減していきます。

具体的には、身体のー部に注意を向け、意図的にその部位の緊張と弛緩を繰り返すことで、

慢性的緊張を徐々に取り除いていきます。

心理的側面から入る技法と、生理的側面から入る技法のどちらを用いる場合でも、

心身の相互作用によって、最終的には心身全体のリラックスを得ていきます。

催眠誘導とリラクセーションは密接に関係しています。催眠の導入階では

リラクセションによ張を緩め、徐々に心理的な快さを感 じるよう促すことで、

被暗示性が充進された意識状態に誘導していきます。

その意味では、  リラクセーションの誘導自が催眠であるとも言えるで しょう

類催眠

類催眠は、覚醒状態でも反応しやすい簡単な暗示を体験することによって、

催眠誘導に慣れていく段階です。

催眠といっても浅い段階ですから、被催眠者が意図的に暗示に反応しないようにすれば、

暗示による反応は起きません。

例えば「腕からダラ ンと力が抜ける」とい う暗示をされても、

緩 しないように図すれば筋肉の弛緩は阻止できる段階です。

類催眠は催眠の深度としては浅いものですが、積極的に催眠誘導を受けている被催眠者の場合、

既に暗示に反応を示しており、心身の弛緩したリラックス状態ですので、

普通の意識状態(覚醒状態)よりも暗示を受け入れやすくなっています。

その状態を利用して暗示を繰り返し与えることにより、

より深い催眠へ誘導していくことが可能になります。

類催眠のー部の技法は被催眼者の被暗示性 テストすめにも使われます。

被暗示性テストには「振り子法」「動揺法」「後倒法」があります

(動揺法と後倒法は連続して用いられる とが多く動揺後倒法」 とも呼ばれます)。

被暗示性テストを行う際には、被催眠者に抵抗感を与えないために、

テストをしますよと言う表現は使わない方が良いでしょう。

運動催眠

類催眠は暗示の効果を意志の力で阻止できる程度の深度でしたが、

意志の力でも暗示による反応を阻止できない程度にまで催眠の深度が深まった段階が

運動催眠です。

具体的には、腕が上がらない、瞼がびったり閉じて開かない、手が額にくつついて離れないなど、

暗示が運動に影響を及ぼす段階で、筋肉支配催眠 とも言われます。

運動催眠では「逆説的暗示」といわれる暗示も効果を持つようになります。

れは、 忙 しいほど気持ちが落ち着く難しいほど自信がでて」など、

ほど〇〇だ」という形式の暗示です。

般には 忙しいほど気持ちがあせしいほど自信がなくなる」であり

矛盾した逆説的な内容の暗示なのですが、 運催眠では意識水準が低下して

理性の働きが抑えられているので、論理的に矛盾があっても

その暗示を受け入れるとができます。

不安や緊張は、排除しようとすればするほど

強くなる傾向があります。

一般的に不安や緊張は能力の発揮を妨げる

マイナス要素と考えられますが、

そもそも不安や緊張は

人間にとって必要なものとして備わっている

ので、これを完全に排除しようとする

のではなく、

この不安が自分を守ってくれる」などのように捉え方を転換することで、

過度な不安や緊張を解き、

ほどよい

不安、緊張を維持することが望ましいのです。

知覚催眠

暗示が知覚にまで影響を及ぼす段階が知覚催眠です。

知覚催眠は感支配催眠とも言われ、味覚、嗅覚、触覚、聴覚、視覚の五感覚を暗示によって

コントロ ルするとができま。そこで、例えば味覚暗示によっ偏食を治

るいは聴覚暗示によって耳鳴りや難聴を軽減するなど、

暗示を上手に使って種々の知覚反応を起 こ とにより、症状の除去などをができす。

また段階ま催眠態が深化すると、イメージするイメージ療法が使えます。

知覚催眠は暗示が知覚に影響を及ぼす程度に催眠が深まった状態で、この状態で暗示されたイメージは、あたかも本当に体験したかのように感じられ、脳に記憶されます。

イメージ療法を利用すれ

だ 経験していないとをかも実際に経験したかのように脳にデータとして組み込むことがきるのです。

この手法を活用すれば、今までの人生で身につけたマイナスの考え方や悪い習慣を変えたり、性格を改善することなどが可能になります。

人格催眠

人格催眠は記憶支配催眠とも言い、記憶に関する暗示や、人格態度に関する暗示をすることができます。

記憶に関する暗示としては、ある特定の記憶を思い出さないようにしたり

(健忘または忘却)、年齢をさかのぼって記憶を呼びおこしたり(退行)することができます。

人格態度に関する暗示では、例えば被催眠者に自分の名前を忘れるという姓名忘却暗示をし、

その後で彼自身ではなく、別の人物や動物になってしまっということも可能です。

すると、被催眠者がそのように振舞うということも可能です。

しかし、記憶に関する暗示や、さまざまな心理的間題に対して暗示を用いる際には、

知覚催眠やイメージ療法どをこと大変高い効果が得 られるため、

現在の催眠療法では人格催眠はほとんど活用されていません。

深化法・イメージ訓練

運動催眠と知覚催眠、また知覚催眠と人格催眠の間には、その催眠の深さに差があり、

より深い催眠の段階へと上手く進めないことがあります。

この催眠深度のギャップを埋めるための技法を 深化法」言います

深化法には下に降 りイメージ使 う降下法や、数を逆に数えていく逆算法などがあ り

運動催眠から知覚催眠に進む段階では、知覚イメージを浮かべることができるかどうかが

鍵になります。深化法を使う以外では、知覚イメ ジを訓練することにより

知覚催眠に進むこともできます。

知覚イメージさにはあ り、ま五感覚のうちどの感覚が敏感であるかも

人によって違います。イメージと言 うと視覚的な映像を考え多いのですが、

視覚だけがイメージではあ りません。

映像が かびにくくても、じめのうちは視覚的な映像にこだわらずに

なん とくそ んな感 じがする」とか、分がする」といった感覚に注意を向けて

(この感覚もイメージです例えば駅までの道筋や自分が好きなことをしている場面などを

想像力によって思い浮かべる練習をすると良いでしょう。

はじめは単に想像しているに過ぎなくても、何度も繰り返し錬習することによって、

あたかも本当に体験しているような感覚を体験するようになります。

暗示

ここで言う暗示とは言葉による刺激のことで、その言葉を受け入れることによって

心身の反応や行動を引き起こすものです。

暗示には自己暗示と他者暗示(暗示を唱えるのが他者である場合)があり、

また悩みを発生させたり能力を抑え込んでしまうマイナス暗示と、

悩みを解消させたり能力を発揮させるプラス暗示があります。

暗示による催眠療法を行う場合、その効果には暗示文の善し悪しが大きく影響しますので、

効果的な暗示文を作れるようになることが重要です。

以下に、暗示文を作成するための注意事項を挙げます。

プラス表現であること

悩みを表わす表現や否定文は原則として使用しない方が良いでしょう。

~ の不安が消える」よりは 気楽に~できる」の方が良 いです。

じより物に酔わない」よりは「気持ちよく旅行ができる」のような

暗示文の方がプラス表現であり、受け入れやすくなります。

なぜなら、やっはならないこと(なりたくないこと)を意識するより、

やりたいこと(なりたいこと)を意識する方が、有利だからです。

同じく、命令文の暗示も使用しないようにします。

よ落ち着け忘れろ」は、かえって意識的にさせ、あせりを誘ってしまいます。

断定文であること

曖昧な予想を印象づける表現よりも、きっぱりと断定する表現にした方が効果的です。

「おそらくこうなるだろう」  という暗示文よりも   きっとこうなる」と断定した方が良いです。

具体的には  落ち着いて話せるかもしれない」ではなく 落ち着いて話ができ る」 とな りす。

短文であること

長い文章を理解するには理性を働かせる必要があるため、

暗示文が長すぎると覚醒状態に戻ってしまう可能性が高くなります。

長い暗示文は、自己暗示として唱えるときも、他者暗示を受け入れるときも

意識的になってしまいます。

暗示を無批判に受け入れられるためには、短文でしかもリズミカルであることが望ましいのです。

分かりやすい言葉を使うこと

暗示は論理的に考えて納得するものではないので、無批判に受け入れられることが大切です。

したがって、小学生でも簡単に理解できるような、分かりやすい言葉を使う方が

暗示効果は高くなります。

例えば 心身が弛緩 してくる」ではなく「気持ちが落ち着く」、

心理的安勺定を伴っ話ができる」ではなく「気楽に話ができる」の方が良い暗示文と言えます。

自己確信できる文であること

ー足跳び欲張っ暗示ではなく、自己確信できる範囲内で段階的に改善 ていくことが

望ましく、例えば初めから「1000人の前で話ができる」などと暗示するよりも

「数人の前ならゆったり話せる」から始める方が良いでしょう。

「~ならばよい」「~なら大丈夫だ」のように、自分で確信をもって受け人れられる文が良く、

飛行機に乗れなくても「車なら大丈夫だ」とすれば良いのです。

また「前よりも上手くいく」のように、段階的に行っていくと効果は増していきます。

<暗示文の唱え方>

1  ゆっくりした口調で、何度も単純に繰り返す

回数については、ー般法と同のでが、時間制限もあるため

5~10回位が良いでしょう。

語尾を伸ばす

「気楽に試験が受けられるー 」のよ うに暗示文の語 尾を伸ばす と効果的です。

人間の記憶のメカニズムから言うと文章の後ろの方が記憶に残りやすいので、

全文を数回繰り返したら、次は「試験が受けられるーを数回、

次に  「受けられるー」を数回唱え、最後に 「るー」をゆっくり何回か唱えます。

暗示を定着させる

暗示文を唱え終わったら、リラックス状態のまましばらく沈黙します。

ボヤッとした安静状態が長い間続いた方が暗示文の定着のためには効果的なのですが、

30秒か1分位で良いでしょう。記憶の定着をよくするためには、

ー般の記憶法と同様に、すぐに他のことをしない方が良いです。

ー般に、記憶しうと意識 して記憶 したものは比較 的定着れやすく、

暗示のように無意識の記憶、すなわち記憶する意志がなく、ただなんとなく聞いたことは、

長時間記憶に残ることが実験で明らかにされています。

暗示を繰り返してい<ことによって、暗示文の通りに心や身体が反応するようになります。

眠気は催眠話導が成功してリラックス状態を得たために起こるものであり、好ましい反応ですが、

暗示をするには不都合です。

眠気が起こったら深呼吸を1~2度させると居眠りを阻止できます。

眠るでもない、目覚めているでもない 状態で暗示を行うのが効果的です。

そして暗示を繰り返した後に眠りに入ると、その暗示の定着はむしろ良くなります。

イメージ療法

イメージ療法にはさまなり方が りますが、ここではイメージ使って

メンタルリハールをうイメージ療法を紹します

イメージ療法の誘導に入 る前段階 としてはまず被者の目標

例えば 会議で自分の意見を堂々と発表するなど、被催眠者の達成 したいこと

なるべく具体的に聞いておきます。

次に、被催眠者がリラックスできるイメ ジを聞いてめます。

ば、山の景色浮かべると気持ちが落ち着く人なら山を、

温泉が好きな人なら温泉でのんびりくつろいでいる状況をリラックイメーします。

そ して、眠者の過去の成功体験を2つ3つ聞いておきます。

他人から感謝されたこと、誉められたこと、上手くいったと自分で思えることなど、

どんなことでもかまいません。成功の度合いの大きい順に、

また遠い過去の体験よりは比較的最近の体験を選ぶようにします。

では、以下に誘導の手順を紹介します。

知覚催眠の段階までの誘導

リラックスイメーの誘

リラックス感がより深まるようにリラックスイメーの誘導をします。

過去の成功体験のイメージ誘

過去の成功体験イメー誘導をし、そのときに感 じたわわくしたじ、うれしかった気持充実感な ここ感でうにしま

将来の成功イメーの誘導

2. で体感した感覚を感じながら、はじめに設定した目標が達成されているイメーが湧くように誘導をします。先の例であれば、 会議で自分の意見を堂々と発表」しているときの体の感覚、そのときの光景や聞こえる音など、また、目標を達成した充実感や、

周りの人に祝福されている様子、自分や周りの人が喜んでいる表情なども

イメーるように誘導します。

将来の成功イメーとー緒私にはできる」ているなどの暗示を被催眠者に唱えてもらったり、

あなたにはできる」なたはできいる」などの暗示を施術者が唱え、イメー療法効果を高めます。

このイメー療法は、自己催眠 としても行うことがでます。

その場合、1 回10分位を目安に、毎日実行する方が良いでしょう。

長時間のイメー法を時折実施するよりば、たとえ短時間でも回数を多く行う方が効果的です。